
冬至の食べ物はかぼちゃや小豆など「ん」がつく七種が基本です。2025年12月22日の冬至に向けて、地域ごとの伝統料理や栄養効果、美しい和食器での盛り付けアイデアをわかりやすく紹介します。
2025年の冬至は12月22日。一年で最も昼が短い日に、古くから縁起がよいとされる食べ物で家族の健康を願ってみませんか。
かぼちゃや小豆など栄養たっぷりの冬至料理を、美しい和食器に盛り付けるだけで、心も体も温まる特別な食卓が広がります。さらに、地域ごとの伝統料理や栄養効果、器選びのコツまでわかりやすくご紹介します。
冬至とは?2025年はいつ?運気上昇の意味と由来
冬至は二十四節気のひとつで、一年でもっとも昼が短く、夜が長い日です。太陽の力が弱まる節目であり、この日を境に少しずつ光が戻ると考えられてきました。
2025年の冬至は12月22日
2025年の冬至は12月22日(月)です。
冬至の日付は毎年同じではなく、地球の地軸の傾きや一年が約365.24日であることから、例年12月19日~22日の間に訪れます。2024年は12月21日でした。
冬至の別名は「一陽来復」
冬至は「一陽来復(いちようらいふく)」とも呼ばれます。これは「悪いことが続いたあとに良いことが巡ってくる」という意味の言葉です。太陽の力が弱まりきった日から再び強まっていく様子を表しています。
「運が開ける」「春が来る」という前向きな意味を持つことから、冬至は暦の節目にとどまらず、家族の健康や幸せを願う大切な日とされてきました。
古代中国から日本に伝わった冬至の風習
冬至の風習は古代中国から伝わったものです。中国ではこの日を重要な節目と考え、宮廷でも盛大な行事が行われていました。
日本でも平安時代には宮中行事として冬至が重視され、やがて江戸時代になると民間に広まり、柚子湯の習慣が定着しました。今日の冬至の食文化は、こうした歴史を通じて受け継がれてきた先人の知恵といえます。
冬至の食べ物は?
冬至に食べられてきた料理には、一つひとつに意味や願いが込められています。栄養があり、保存もしやすい食材を取り入れることで、寒い季節を元気に過ごそうとした先人の知恵が今も受け継がれているのです。
かぼちゃ(南瓜):「ん」がつく縁起物の代表
冬至といえば、まず思い浮かぶのがかぼちゃです。正式な読み方「なんきん」には「ん」が2つ含まれ「運が2倍やってくる」縁起物として親しまれてきました。
夏に収穫されるかぼちゃは保存がきき、野菜が不足しがちな冬に役立ちます。ビタミンAやβ-カロテンが豊富で、風邪予防や免疫力アップに効果的です。さらにビタミンEは血行促進、ビタミンCは美肌効果も期待できます。
家族の健康を守りたい冬の食卓にぴったりの食材です。
小豆:邪気を払う赤い食材の力
小豆の赤色は、古くから邪気を払う力があると信じられてきました。中国から伝わった習慣では、冬至の朝に小豆粥を食べて無病息災を願います。
また赤飯などお祝いの席にも欠かせない小豆は、「ハレの日」を演出する特別な食材です。サポニンによるむくみ改善や豊富な食物繊維など、健康面でも優れた効果があります。
冬至に小豆を食べることは、厄除けと健康祈願を同時に叶える、先人の知恵といえるでしょう。
こんにゃく:体内浄化の「砂おろし」効果
こんにゃくは昔から「砂おろし」や「砂払い」と呼ばれ、体内の老廃物をきれいにする食材と考えられてきました。年末に食べることで、体を浄化し新年を迎える準備をする意味も込められています。
「胃のほうき」「腸の砂おろし」といった呼び名は、今でいう「腸活」と同じ発想です。食物繊維が豊富で、腸内環境を整え便秘解消にも役立ちます。
地域によって田楽や煮物など様々な料理に使われ、冬至の食卓に彩りを添える存在です。健康と味わいの両方を楽しめる一品といえます。
冬至の七種(ななくさ):「ん」がつく7つの食材
冬至には「ん」が2つ付く食材を食べると運が呼び込めるとされ、「冬至の七種」と呼ばれています。
なんきん(かぼちゃ)は免疫力アップ、れんこんは腸活と美肌、にんじんは目の健康、ぎんなんは滋養強壮、きんかんは風邪予防、かんてんは食物繊維でダイエット、うんどん(うどん)は体を温め消化によいとされています。
これらを組み合わせれば、栄養バランスの整った冬至料理が完成します。健康を願いながら食べることで、一層の安心感が得られるでしょう。
冬至料理の特色と伝統
冬至に食べられる代表的な料理には、それぞれの土地の食材や伝統が息づいています。各地で親しまれている冬至料理を知ることで、日本の豊かな食文化を感じることができます。
小豆粥
小豆粥は冬至の朝に食べる代表的な料理です。小豆の赤い色が邪気を払うとされ、中国から伝わった無病息災を願う習慣が日本でも根付きました。温かい小豆粥は体を芯から温め、寒い冬の朝にぴったりの料理です。
いとこ煮
いとこ煮は、かぼちゃと小豆を一緒に煮込んだ料理で、茨城県の郷土料理として知られています。硬い小豆を先に煮て、後からかぼちゃを「追い追い」入れることから「甥甥煮」、そして「いとこ煮」という名前になったといわれています。
きんぴら
九州地方では、根菜類をたっぷり使ったきんぴらが冬至料理として親しまれています。人参、れんこん、ごぼうなど「ん」のつく野菜を組み合わせることで、運気を呼び込む縁起の良い料理となります。
トゥンジージューシー
沖縄では、冬至のことを方言で「トゥンジー」と呼び、ジューシー(炊き込みご飯)を作る習慣があります。野菜や豚肉などの具材をたっぷり入れた栄養満点の炊き込みご飯で、仏前に供えてから家族で食べます。
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まとめ
冬至の食べ物は、ただの風習ではなく先人の知恵です。かぼちゃのビタミン、小豆の厄除け、こんにゃくの体内浄化など、どれも現代の健康意識に通じる優れた効果があります。
FOURGRACEでは、冬至にぴったりの和食器やコーディネート用品をご用意しています。2025年の冬至は「一陽来復」の願いを込めて、伝統と現代の工夫を取り入れた食卓を楽しんでみてください。
暮らしに寄り添う「うつわ」とともに、季節の巡りを感じる豊かな時間を味わいましょう。
